■ 読書感想48 森山大道「4区」
白く発光しているのに水がある。
光の中に水があるのは何故だろう?
きっとこの光はこの世界の光だから。
この世界には天国もあれば地獄もあるように、揮発もあれば出現もある。
例えば光は全てを露わにするように、
消えていくもの現れるもの全てを裸にする。
簡単なことだ。
この世界は水で出来ていて、
光はそれを照らしている。
水は官能の証だ。
官能とは感じることだ。
だからこの世界は感じる為のフィールドで、言葉になる前の 言葉にならない何かが溢れている。
その何かの存在の証拠が水で、
例えば僕という人間が全身でその何かを浴びた証拠なのだ。
昏さと明るさ、
闇と光、
揮発と出現、
水と森山大道。
森山大道「4区」 / 1999年12月20日発行 / ワイズ出版