■ 読書感想12  松谷友美「六花」

頑なだけど、光があります。
頑なさは昏さとなり、昏さは自我を示している気がします。
でも光がある。
初々しい素朴な希い。
昏いけど淡い希い。

松谷さんはシンプルだ。
頑ななところがある気がするけれど、
自然体で心が細やかだ。

北の土地の風景に胸を高鳴らせ、
雪の中で吐息が白く霞み、
頬は赤く上気する。
そんな松谷さんの呼吸が聞こえた気がした。

 

松谷友美「六花」  /  2014年10月1日発行  /  蒼穹舎