■ 読書感想13  清野賀子「至るところで 心を集めよ 立っていよ」

鮮烈な描写。
克明で曖昧さを許さない視線。
その背後にある陰や闇。
躁状態で、鬱蒼とした昏さ。

空回りするような荒くて高い呼吸が聞こえるのです。
瞳孔が開き、興奮している。

僕は胸が締め付けられ、苦しかった。

写真は創造などではないと思います。
では、写真は建設できるでしょうか?
写真が僕の空間を作るとき、その空間は人間を建設するでしょうか?
破壊に寄与することなく、建設に貢献するでしょうか?

僕は僕の呼吸が誠実だと、言えるでしょうか?

 

清野賀子「至るところで 心を集めよ 立っていよ」  /  2009年9月19日発行  /  OSIRIS