■ 読書感想20  野村次郎「遠い眼」

湿った呼吸。
端正なリズム。
淡々とした昏さ、そして昏いから見える明るさ。

野村さんは自然にしている。
窓を眺める時も、林道や峠を行く時も、
湿った息継ぎをして、外の光に反応して、環境に合わせて自然と心持ちを変えて。

昏いから明るくて、静かだから端正が響く。

徒然なるままに、息を詰めて、やり過ごして…。

 

野村次郎「遠い眼」 / 2009年11月1日発行 / ビジュアルアーツ 青幻舎