■ 読書感想22  山内道雄「上海」

むせ返るような人間の匂い。
街の喧騒と、強い時代の匂い。

血が沸き、肉躍る。
そして魂が揺れる。

人や街というより、根源的な存在の匂い。
僕もこの場にいたい、この空気を吸いたい、大気に溶けたい。

山内道雄の最高傑作。

 

山内道雄「上海」  /  1995年4月20日発行  /  プレイスM