■ 読書感想49  森山大道「仲治への旅」

怕い。

渇いていて禍々しい。
罪を負いながら、それを太陽の所為にする殺人犯。

不条理で、全てを灼きつくす強すぎる光。
苛烈過ぎて静かな光。
凶々しくて尊い光。
見えなくて、眩しい光。

全てが無になる光。
全てが無になる、無の中の生(なま)。

罪も不条理も悍ましさも、何もかも
やがて全ては光の中に帰るだろう。

 

森山大道「仲治への旅」  /  1987年11月11日発行  /  蒼穹舎